スケートボードは、やる気と勢いだけでも上手くなるし、楽しい遊びです。
でも、トリックのひとつひとつは、とても繊細。微妙なズレが失敗につながることもあります。なので、たまにはスケボーのパーツの調整をしてやるのも大事です。
メンテナンスのコーナーでは、パーツのどの部分を調整すると、乗り心地はどう変わるのかをお伝えしていきます。
今日は、メンテナンスとは少し違う内容ですが、「デッキの前後の見分け方」です。
あなたは、スケボーの前後を見分けられる?
パッと見では、ほとんど同じに見えますよね。特に形で判別しようとすると、どう見ても同じじゃない?って感じだよね。
実は、スケボーの前と後ろでは、形が違うんだけど、それはもう少し後でお話します。
まずは、デッキのグラフィックで、前と後ろを見分ける方法を紹介します。
ちなみに、デッキの前のことをノーズ。後ろをテールと言います。トリックの名前にも関わってくるので、覚えておくと良いと思います。
前:ノーズ
後:テール
あなたのスケボーのグラフィックを見てみて下さい。
なにが描いてある?人?キャラクター?柄?文字?建物?
例えば、このデッキ。
ChocolateのHEARTSシリーズのデッキ。グラフィックの特徴としては、ハート、ブランドのロゴ、ライダーの名前が書かれていますね。
このデッキの前はどっちだと思いますか?このデッキの前は、
↑こうです。
それじゃあ、次のデッキを見てみましょう。
このデッキの前後はどうなりますか?考えてみて下さい。
分かりました?答えは、
↑こうなります。
あれ?なんとなく、どういうことか分かってきました?じゃあ、次のデッキです。
どうですか?どちらが前か分かりますか?
今までと違って、デッキの横方向に文字が描かれていますね。描かれている文字は、「vincent alvarez」というChocolateのライダーの名前です。
この場合の前後は、こうなります。
デッキを横にすると分かりやすいですね。文字の場合は、読み始める方が、前になります。
ここまでくると大体分かってきましたよね。
グラフィックで、スケボーの前後を見分ける場合は、
絵の天地の「天が前」「地が後ろ」になります。
グラフィックが文字の場合は、「読み始める方が、前」になります。
スケボーのグラフィックを見れば、ほとんどの場合、このパターンで前後が分かります。
でも、たまに、↓こんなグラフィックのデッキがあります。
天地と横方向の両方の要素が描かれていますね。
ライダーの名前の「MIKE MO CAPALDI」で見分ける場合と、「GIRL」の文字の方向で見分ける場合で、前後が違いますよね。
こういう場合や、無地の場合、天地も右も左も分からない場合は、どうやって前後を見分ければ良いのか?
またたまに、文字のグラフィックのデッキで、読み始めが後ろのデッキもあったりして、混乱することがあります。
そういう時は、前後の形の違いで見分けることが出来ます。
スケボーは、元々は前後が分かる形をしていました。
例えば、↓こんな感じ。
形が尖っている方が、前です。昔は、こんなに前後がハッキリと分かる形でした。
それが、だんだんと進化と改良が加えられて、前後がほとんど区別がつかないほど同じ形になりました。
それは、現在のストリートスケートボードのスタイルに、「スイッチスタンス」というのがあるからです。
スイッチスタンスというのは、いつものスタンスとは、逆のスタンスでトリックをすることです。
例えば、いつも左足を前にしてオーリーをしている人が、右足を前にしてオーリーをすることを、スイッチスタンスオーリーと言います。
この、「スイッチスタンスでもトリックが出来る」というスタイルは、今のストリートスケートボードでは、かなり重要な要素になっています。
なので、ノーズでもテールでも同じようにトリックが出来るように、前後がほとんど同じ形をしているということなんですね。
でも、前後は全く同じということはありません。よーく見ると、若干形が違います。
なので、スケボーの前後を、グラフィックで見分けることが出来ない場合には、「形」で見分けることが出来ます。
まずは、答えから発表します。このデッキの前後は、
こうなります。
それでは、さっきのGIRLのPOP SECRETシリーズデッキの前後の形を比べるために、形を計測してみました。
デッキに空いているビス穴から、先端までの長さを計測すると、
前(ノーズ):170mm
後(テール):160mm
でした。前の方が長いです。
もう1ヶ所計測してみました。
デッキの反り返りの違いを計測してみると、
前(ノーズ):48mm
後(テール):40mm
でした。前の方が反り返りが強いですね。
どうですか?スケボーの前後の形の違い、分かってきましたか?まとめると、
「スケボーのデッキは、前の方が長く(面積が広く)、反り返りが強い」
ということですね。これは、言い方を変えると、
「長く(面積が広く)、反り返りが強い方を前にしたほうが、オーリーしやすい。」
っていうことですね。もちろん、やりやすさは人それぞれですが、これが、スケボーの前後を見分ける基準です。
もしも、デッキのグラフィックだけでは、前後を見分けることが出来ない場合には、ジーっとデッキを見てみましょう。
ほんのわずかですが、絶対に前後で形が違います。
「長く(面積が広く)、反り返りが強い方」が前です。
スケボーの前後の見分け方、どうでしたか?
どっちでも良いようで、実はちゃんと違いがありましたね。
せっかく大事なお金を使って買ったスケボーの前後を間違えていたりしては、大変です。ぜひ、スケボーの前後の見分け方をマスターしておきましょう。