スケボーの上達にキビシイ指導などいらん!

スケボーの上達にキビシイ指導などいらん!

どうも!稲垣です。

今日は、もしもスケボーが学校の部活になったりしたらどうなるんだろう?っていう内容になってまーす。

こないだテレビで、「キビシー!」っていう番組をやってたんですね。

何かを習う人に対して、厳しい指導がされる様子を伝える番組でした。

例えば、水が嫌いな子の顔に水をバシャバシャかけて、絶対に手で顔を拭ってはダメだぞ、拭わなくなるまで延々と水をかけるからな、という指導とか、

笑顔で演技しなくてはいけないダンス部の練習中に指導者が「お前らちゃんとやれや!!ゴルァァ!!」というような怒号を発する指導とか。(そんなんで笑えるか)

根性が1ミリもない僕にとっては、見ているだけでちょっと吐き気がしてくるような内容だったんですが、久しぶりにテレビを見たのと、なんやかんや言いながらこのキビシー指導に対して反論するというのが楽しくて最後まで見ちゃいました。

で、その中に厳しいダンス部に通う女の子の話がありまして、それが僕の中で一番違和感を感じたというか、

「もしかしたら、スケボーもこんなんになってしまうのだろうか・・・」

と感じた内容だったのです。

ある高校のダンス部は、全国大会常連チーム。メチャクチャ厳しい指導で有名。だけど、部員数はすごく多くて、レギュラーになるためには、厳しい競争に勝たなくてはならない。そんな中で登場した女の子は、2年生でありながらレギュラーに選ばれ、指導者はもちろん、先輩たちのキビシー指導に耐えて全国大会優勝を勝ち取るのであった・・・。

という、それなりに良い話に感じるかもしれないんですけど、やってることがダンスなんですよね。僕あんまりダンスに詳しくないんですけど、この高校のダンス部、多分、ヒップホップのダンスをやっていました。

ヒップホップのダンスを練習する時に、指導者が、

「お前らちゃんとやれや!!」

「声出てないんじゃ!!」

「走ってこいやぁぁぁ!!」

みたいな指導するのってアリなんですか?

僕の中でのヒップホップのダンスって、スケートボードやDJやラップやグラフィティなんかと同じで、ストリートで生まれて育ってきたイメージなんですよね。

何にも持ってないけど、創造する力と肉体を使って、孤独と向き合い作り上げてきたアートなイメージです。

だけど、この番組でやってたダンスは完全に部活動で、厳しい練習に耐えて甲子園を目指す高校球児みたいな感じですね。必要なのは、創造力じゃなくて精神力って感じ。

「やっぱり日本の学校の力にかかるとヒップホップのダンスも部活になってしまうのか・・・」

と残念な気持ちになりました。

今は、学校でダンスの授業もあるって聞いて、

「それってメチャクチャ良いじゃん!」

と思っていたんですけど、こんな感じなんですね。この高校は、特別厳しい指導で有名だからこうやって取り上げられていたというのもあるんだろうけど。

ていうか、今の日本の教師でダンスに精通している人っているんでしょうか。この高校のダンス部の顧問の先生も独学で学んだって言ってたけど。

もしも、オリンピックがきっかけでスケボーがブレイクして、なんやかんやあって学校の授業や部活になったりして、このダンス部と同じような指導がされるようになったら嫌だなぁと、僕は思います。

「おらぁ!ショービットは、前足キャッチ言うとるやろがぁ!!」

とか、

「お前らにはオーリーなんて10年早いわ!プッシュ10km行って来いやぁ!!」

みたいな厳しい指導が行われ、苦しい練習に耐えたスケーターが、オリンピックで金メダルを獲得する。

というのがスケートボードの中心になったら、僕たちは日陰者として生きていかなくてはならないのではないかと、今から不安です。

僕の個人的な考えとしては、スケートボードって、日本の部活動になじめないけど、体を動かすのが好きな不良達にとって、すごく良い受け皿になっていると思うんですよね。

一人でもできるし、みんなとやっても楽しいし、勝ち負けなんて気にしなくて良いし、想像力を発揮できるし、頭も体も使って良い感じに疲れて飯は美味いし、よく眠れるし、音楽とかアートに興味を持つキッカケにもなるし、スケートボードって、マジで良いんですよ。

それが、厳しい指導に耐えて勝つためにスケートボードをするようになったら、おしまいです。

もしも、スケートボードの指導員になる人がいたら、絶対に厳しくしないで欲しい。

ある学者が世界のコンクールで優勝するピアニスト達の子供の頃の環境を調査したら、ほとんどのピアニストが、

厳しい指導者でもなく、

著名なピアニストでもなく、

腕前は普通だけど、優しい先生に習っていたそうです。

これはつまり、

腕前は普通だけど、優しい先生に習うことで、好きなことがますます好きになるということなんですね。

厳しい指導者に習うと、子供がせっかく好きで始めようと思ったことを嫌いになってしまう。

著名なピアニストは、腕前はピカイチだけど、指導員としては未熟な人が多い。

好きなことを楽しむのが、才能を伸ばす一番の方法だという証拠です。

スケーターを育てないなら、褒めて育てる!これに限ります。

僕達も、一緒に滑るスケーターをどんどん褒めましょう!

今日は以上です。最後までありがとうございます!

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