手が上がらないスケーターがイケているのは、なぜなのか?

手が上がらないスケーターがイケているのは、なぜなのか?

どうも!稲垣です。

こないだのブログで↓こういうことを書きました。

デッキに乗って、トリックにトライして、バックサイドだとか、フロントサイドだとか、スイッチだとか、ノーリーだとか、手が上がらないだとか、めっちゃ腰履きだとか、ルーズトラックだとか、ロン毛なのに髪を結ばないだとかっていう、パっと見ただけでは違いに気づかない部分にこだわって滑ってきたスケーター達にしか分からない価値とか面白さが、スケートボードにはある。僕はそんな風に思ってます。

そしたら、Nさんから、↓こういう質問が届きました。

この中の「手が上がらない」というのって

スタイルとしてイケてるとされているものなのでしょうか??

(ちなみに、トリック中の動作のことですよね?)

これまでいろんな動画とかHOW TOとか見てきましたが、

そこに触れているものって、見たことがなかったので気になってメールさせていただきました。

あなたはどう思いますか?

例えば、オーリーの時に手が上がらないのってイケてると思いますか?

それとも手が上がってた方がイケてると思いますか?

僕は、手が上がらないスタイルが好きなんですね。

かといって、手が上がっているのが嫌いってわけではないです。手が上がっててもカッコイイスケーターは沢山いますし。

手が上がらないスケーターっていうと、例えば、Gino Iannucci(ジーノ・イアヌッチ)。

僕が「手を上げずにトリックをやるのってカッコイイなぁ」と思ったのは、ジーノ・イアヌッチに影響を受けたからですね。全くできんけど。

あと手が上がらないスケーター代表と言えば、DGKのWade Desarmo(ウェイド・デサルモ)。

最後のノーリーKグラインドと360フリップの抜け感。こんな風に滑りたい・・・。

ジーノ・イアヌッチもウェイド・デサルモも全く違うスタイルのスケーターですよね。手が上がらないと言っても、色んな見せ方がある証拠ですね。

トリックの時に手が上がらない、手が動かないっていうのは、見た目のカッコ良さもあるけど、それ以上に、完全に体の動きをコントロールしているという意味でもヤバイんですね。

僕なんて、オーリーの時はもちろん、キックフリップの時も右手が上がるし、ブンブン振り回しています。

「動かしちゃダメだ。動かしちゃダメだ。動かしちゃダメだ。」って感じで、エヴァンゲリオンの碇シンジ君ばりに自分に言い聞かせても、絶対に動いてます。

多分、僕の脳の回路では、右足を動かすと右手も動くようになっているのです。検査したら絶対にそういうのが出ると思います。

僕に限らず、ほとんどの人は、こういう体のクセや脳の回路があって、動かしたくなくても無意識に動いてしまうものなんです。

なのに、手が上がらない、手が動かないスケーターもいます。これって、技術とか筋力のトレーニングでなんとかなることじゃなくて、精神とか脳の話だと思うんです。

僕が、ジーノ・イアヌッチとかウェイド・デサルモみたいな手が上がらないスケーターが好きなのは、手が下がっている形うんぬんよりも、精神とか脳のレベルでスケートボードをコントロールできているっていう達人感の部分なんですよね。

ブルース・リーが、「Don’t think feel.(考えるな感じろ)」って言ってたけど、スケボーのトリックってまさにこれだと思います。考えているようでは気持ち良く動くことはできなくて、感じることの方が大事なのではないかと思います。

上半身と下半身の動きを意識的に別々に動かせるようになれば、手を上げることも下げることも自分の思いのままです。そこからやっとスタイルっていうのを表現できるのかと思うと気が遠くなるし、やっぱりプロスケーターって半端ないですね。

中には、どうしても動いてしまうのにカッコイイっていうズルいスケーターもいます。マイク・キャロルの左手とか。

多分意識してこの左手になってるわけじゃないと思うんですよね。でもキャロルらしさが出ていてカッコイイ。

上半身と下半身を別の意識で動かせるようになると自分のスタイルを表現できる。かといってムリヤリ動きを矯正すると、それまでできてたトリックができなくなったりもするので注意が必要です。まずは、あんまり深く考えずとことんトリックをやりこんでから、自分のスタイルを追求していくのが良いかと思います。今日は以上です!

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