どうも!稲垣です。
今日は、スケボーのトリックの高さについて書こうかなと思います。
なんで、そんなことを書こうと思ったかというと、僕のお店でスケボーを買ってくれたスケーターやLINEやメールで届くメッセージに、
「オーリーが高くなりません。どうしたら良いですか?コツはありますか?」
というのが結構多いからなんですね。
高いオーリーは、カッコいいです。小学生の時の足が速いっていうのと同じで、スケーターにとってオーリーが高いというのは、ヒエラルキーのてっぺんにいける方法の一つだったりします。
僕も若い時は、とにかく高いオーリーのマスターを目指しました。
「赤コーンを立てたのをウォーミングアップで軽々飛べるようになったら、上手いスケーターが集まってるパークやスポットに行って滑ってやる」
みたいなことを考えていました。
高いオーリーこそ正義。
高いオーリーができれば、低いオーリーもできるはず。
高いオーリーさえできれば、オーリー以外のトリックも楽々になるはず。
こんな風に考えて、高いオーリーをマスターすることを、優先順位の一番に掲げて滑っていたわけです。
その結果、マグレで赤コーンを飛んだことはあったけど、自分でコントロールした気持ち良いオーリーをマスターしないまま40歳になってしまいました。
20年以上もスケボーを続けてきたのに、できるトリックの数が少なすぎる。なんでや!?
と悩んだ結果、ある2つの事実に辿り着いたんです。
という事実です。
高さを求めてオーリーしていたときのことを思い返してみると、高いものを飛び越えた時って、自分で自分に驚いている感じで、「うぉ!飛べた!」って感じ。スケボーをコントロールしている「支配感」がない。
逆に、支配感を味わって、なんとも言えない気持ち良さを感じているときって、軽い力でテールをコーンッと弾けていたり、高さ10cmくらいの縁石にキレイにグラインドしていたり、何回やっても同じように回るショービットができたりっていうときなんですよね。
高さを求めてスケボーしているときって、だいたい力んでます。力が入ると、人間の体って動きが遅くなります。その結果、さらに力を入れるようになって、めちゃくちゃ重たいオーリーになる。力いっぱい飛んでマグレで飛び越えてしまう高いオーリーが気持ち良いわけない。
スケボーに限らず、あらゆるスポーツで、力を入れれば入れるほど上手くいくことって、基本的にはないはずです。あるとしたら、腕相撲とか綱引きとかそういう力勝負だけです。スポーツだけじゃなくて、料理、造作、演奏、運転、どんなことでもそうで、力を抜けるようになることが、上達の第一歩です。
この世にあるコツというのは、つまり何にたどり着くかというと、
力を抜いてやる方法
なんです。
コツ=力を抜いてもできる方法
です。
スケボーのトリックは、その名の通り、手品と同じです。
手品が力を入れることで上手になるなら、マジシャンは、筋肉隆々の人が多くなるはずなのに、そんなことはないです。
スケボーのトリックの高さというのは、スタイルの表現方法だったり、競技としての基準だったり、刺激のひとつだったり、そういったものです。
僕は、高さを極めることが、コツの習得にはならないのではないかと考えています。
なので、一緒にスケボーをする初心者のスケーターには、物超えなんてやらなくて良いって言います。
物を飛び越えないと飛んでいるかどうか判断できない場合、それはオーリーができていないです。
オーリーができた時は、物を飛び越えなくても、誰かに見てもらわなくても、「できた!」と確信できます。それくらいに、オーリーというトリックは、気持ち良いです。
高さを求めてオーリーの練習をしている人は、おそらく、まだ、オーリーができていません。だから、できているかどうかを、飛び越えられた物の高さで確認しようとしているんです。
確実にオーリーができている人が、少しずつ高さを出していく練習をするのは全然オーケーです。
だけど、「これはオーリーができているのか?」と自分の中でも疑問がある間は、高さを求めるのはやめて、気持ち良いオーリーのコツを見つける練習をしましょう。
僕も最近は、高さよりも、気持ちよさを重視してオーリーをしています。そのおかげで、42歳になった今でも、スケボーがしたくてウズウズする毎日を過ごしています。低くてもちゃんとテールを弾いたオーリーって、めちゃくちゃ気持ち良いんです。クセになる気持ち良さです。やめられるわけがありません。スケボーは、合法的に快感を得られるヤバイものです。
あのまま、高さだけを追求するスケボーを続けていたら、僕は、きっとスケボーをやめていたかもしれません。
オーリーに挫折して、スケボーをやめてしまった人、やめてしまいそうな人は、高さを求めるのは今すぐやめてください。物超えもやめてください。コツを見つける練習を始めましょう。
コツとは、力を抜いてもできる方法のことです。
近々募集をスタートする予定のHi5のスケボースクールでは、この辺のことをじっくりお伝えしていこうかなと思ってます!
今日は以上です!
【追伸】
高いオーリーが正義というのは、本当だし、ちゃんとオーリーができるようになったら、高いオーリーを目指すのは全然良いと思います。僕も高いオーリー大好きです。
そして、高いオーリーの頂点にいると思われる人は、↓こんなオーリーをするので、覚悟しておく必要があります。