スケボーのマジックアワー

スケボーのマジックアワー

どうも!稲垣です。

マジックアワーって知ってますか?

日没前や日の出直後の薄明かりの時間帯を表す写真用語です。

この時間帯に写真を撮ると、金色に輝く美しいグラデーションを撮影できることから、マジックアワーと呼ばれているそうです。

僕は、スケボーにもマジックアワーがあると思っています。

僕の経験では、ニュートリックは、日没前に決まることが多い。

つい先日も、スケボー歴1年半の39歳スケーターが、お店の前で、キックフリップに初めて乗りました。

コロコロと転がったキックフリップだけど、彼の人生初のキックフリップの瞬間に一緒に滑ることができて、僕自身も興奮しました。最高のハイファイブを交わすことができたと思います。

このキックフリップが決まったのも、日没前。17時くらいでした。

この日は、僕とキックフリップを決めた39歳以外に、もうひとりスケーターがいて、3人でお店の前で滑っていました。

高さ10cmのマニュアル台をメインに練習していました。

その日は、なんだか良い雰囲気だったんです。

みんな自分がメイクしたいトリックが明確で、集中しているけど、笑顔も見えて、リラックス感もあった。

それに、誰も自分のトリックを見せびらかしていなかった。

トリックを見せびらかすスケーターがいると、マジックアワーは訪れないんです。

上手いスケーターがいてはいけないということではなくて、上手いスケーターも下手なスケーターも、一緒にトライしていることが大切。

トライし、アドバイスしあい、アドバイスを素直に受け入れられて、励まし合っている。

この条件が揃ってくると、マジックアワーが近い。

日没という、避けようがない締め切りが、スケーターのテンションを程よく刺激してくる。

ダラダラとやっていい時間や場所では、マジックアワーは現れにくい。

日没、大会、ツアー、ストリートという締め切りがある場所は、マジックアワーに入りやすい。

39歳のキックフリップが決まりそうな時、僕も、もうひとりのスケーターも、自分ごとのようにキックフリップのメイクを願っていたと思います。

39歳の彼も、年末と日没前というダブル締め切りがあって、今日は決めておきたいという、普段では出ない集中力を感じていたと思います。

空が少し暗くなって、富山の立山連峰の後ろに夜が見え始めたころ、新しいキックフリップがカウントされました。

コロコロと転がったキックフリップだけど、そんなのは関係ない。

体の下でスケボーを1回転させて乗るというトリック。こんなの、その辺に住む人1,000人連れてきてもできないし、ほとんどは、できないまま死ぬ。

キックフリップをメイクした本人はもちろんだけど、このマジックアワーに一緒にいられるっていうのも、スケーターにとっての最高の瞬間だったりします。

2020年の春までに、お店の前にスケートパークを作る予定です。

スケボーがオリンピックの競技として注目される年に、スケートパークを作るなんていうことを言っているから、

忙しくなるね

儲かりそうだね

なんて言われるんですが、忙しくなるのは、僕が滑れなくなるから、ほどほどで良いと思っているし、儲かるかどうかは、あんまり気にしてないし、多分、そんなに儲からないと思う。儲かってくれたら嬉しいけど。

僕が店の前にパークを作る理由は、何度もマジックアワーを体験したいし、お店に来てくれるスケーターにも体験して欲しいからです。

いくつもの条件が揃わないと、スケボーのマジックアワーは、訪れません。

上手いやつも、下手なやつも、一緒にトライして、励まし合える雰囲気。そして、避けようがない日没という締め切り。

これらがマジックアワーが訪れる条件です。

せっかく自分でパークを作るのだから、ただ単にキレイな路面を作るだけじゃなくて、雰囲気というか空気感も作れたら良いよなぁと思っている2019年の最終営業日です。

今年は、以上です。

来年も一緒にスケボー楽しんでいきましょう!応援してます!

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お届けは、年明けになりますが、2020年からスケボーを楽しみたいというあなたはぜひ!

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